味わい鍋は余熱調理が得意です!
ぜひ、ふだんの料理に取り入れてください。味わい鍋は、たっぷり熱を蓄える肉厚設計。余熱調理を想定した鍋です。

火を止めたあとも、調理が進む
味わい鍋は、火を止めたあともゆっくりと熱を伝えつづけ、調理を進めます。火加減を気にせず、鍋のそばを離れても大丈夫。フタをしてしばらく置いておくだけで、料理がちょうど良く仕上がります。

味わい鍋の断面。底面5mm、側面3.5mmの厚みに熱をたくわえます。
鍋の中では何が起きている?
味わい鍋にたくわえられた熱(=蓄熱)によって、鍋そのものが熱源のように働きます。とくにアルミ鋳物製の鍋(肉厚に造られたもの)は、熱伝導性と蓄熱性のバランスが良く、じんわりと長く温度を保つ特性があります。
余熱調理中は、加熱しているときのような強い対流や沸騰は起こらず、穏やかな熱が、水分や調味料とともにゆっくりと食材の内側に伝わっていきます。

水を入れて5分加熱した味わい鍋の温度分布。鍋のすみずみまで熱がたくわえられています。

鶏むね肉のゆで鶏も余熱でしっとり
沸騰したらフタをして火を止め、15~20分。中心までじんわり火が通り、しっとりとしたゆで鶏になります。薄手の鍋では途中で熱が逃げてしまいますが、味わい鍋であれば余熱の力を使い、より良く仕上がります。

中心までちゃんと火が通ります。蓄熱性が大変高いので、放置しすぎないよう注意。

沸騰後に火を止めた後の温度降下の様子。味わい鍋はアルミ製ですが、熱を蓄える力は、鉄の鋳物鍋と同等です。

余熱調理の魅力
余熱調理では火加減を気にしなくて良いため、調理中の手がひとつ空くこと、コンロがひとつ空くことなどが魅力です。冬場やエアコンが効いた室内では、鍋をタオルでくるむと保温性がアップします。

「余熱ポトフ」
中火で加熱し、野菜の表面がやわらかくなったら火を止めて、フタをして20~30分放置。塩こしょうのみ(コンソメなし)でも、野菜の甘み・うまみを感じられます。

「余熱ホットマリネ」
蒸し焼き状態にして甘みを引き出します。軽く焼き色をつけたら、フタをして弱火で1~2分+火を止めて10~15分放置。マリネ液で和えたら完成です。

“いつもの流れ”に
“火を止める時間”をつくる
余熱調理の良いところは、特別なレシピを覚える必要がないところ。いつも通り、火にかけて、止めて、フタをして、置いておくだけ。調理の流れの中に自然と“余熱”が組み込まれることで、余裕が生まれます。ぜひ、取り入れてみてください。