ブランドストーリー
STORY
昭和から平成、令和へ。
日本の食卓を
そっと支える味わい鍋。
「美味しく作るために、最高の鍋を造る」
1985年の初代「味わい鍋」誕生から、
磨き続ける技術と想いがあります。
「二生もの」の鍋にかける想い
ロングライフを目指すということ
初代「味わい鍋」の開発にあたり、
デザイナー島崎 信(協力:田中 克明)が目指したのは、
一生もので終わらない「二生もの」の鍋。
「愛着のあるものと暮らす豊かさ」を提唱する島崎にとって、
流行に左右されないデザイン、性能、使い心地に加え、
末長く使い続けられる製品に仕立てることは、
造り手が果たすべき責任であり、信念とも言えるものでした。
初代「味わい鍋」の誕生
「主婦モニター会議」の声を取り入れて
1985年に誕生した、味わい鍋。その背景には、
当時はまだめずらしかった「主婦モニター会議」の存在がありました。
“もっと美味しく”のテーマのもとに集った主婦5名によるテストを何度も重ね、
ようやく「肉じゃがのお芋が美味しくなった」
「コロッケがカラっと揚がった!」といったお墨付きを獲得。
満を持して発売となりました。
“アルミ鋳造”である理由
元来、醤油・味噌・みりんなど、焦げつきやすいものが多い日本の調味料。食材や調理方法もさまざまです。そのため、日本の家庭料理に向いている鍋は、こびりつきにくいことが基本。
そして「美味しくつくる」ためには、熱を素早くまんべんなく伝える素材と、流れるように対流させる形、密閉性の高いフタ、蓄熱性の高さが大切です。味わい鍋は、それらを「肉厚のアルミ素材」と「丸み」、本体と同じくらいの重量がある「フタ」で実現しています。
「アルミ鋳造」である理由も、それらを成型する際の自由度の高さゆえです。高温で溶かしたアルミを金型に流しこみ、ひとつひとつ人の手で鋳造しています。
鋳物の町・川口の底力
大正6年創業の文化軽金属鋳造株式会社は、
鋳物の町・川口でいち早くアルミ鋳造をスタートした町工場です。
当時から高い技術を持っていましたが、そのクオリティをもってしても、
味わい鍋の試作・テストには約二年を要しました。
同社の代表が当時を振り返って「味わい鍋を造ることで、
私たちの製造技術も底上げされた」と語るとおり、底力を結集させて生まれた鍋でした。
味わい鍋を次の時代へ
「この鍋を残したい」という想いをつなぐ
味わい鍋には、これまで2度の生産終了の危機がありました。
いずれも製造・販売元の事情によるものでしたが、
そのたびに「この鍋だけは、残したい」という販売者の声、
「いい鍋だから、造り続けたい」という職人の声、
「こんなに良い鍋は他にはない」というご愛用者さまの声に支えられてきました。
新たなストーリーを描きつづけるために
2023年、発売当初から味わい鍋を手がける島崎のデザイン・監修のもと、
数十年ぶりとなる仕様変更を行いました。環境に配慮し、天然木の取っ手を採用。
フッ素樹脂コーティングのかけ直しやメンテナンスができる
「再加工・修理サービス」も開始しました。
“AJIWAI”を世界へ
リニューアルを機に変わったのは、それだけではありません。
味わい鍋の裏側に、新たに“AJIWAI NABE”と刻印。
“味わい”という日本ならではの豊かな楽しみや、鍋を囲む文化のあたたかさを、
もっと多くの人に知ってほしいという想いがあります。
これまでたくさんのご家庭で愛されてきたこの鍋を、
“AJIWAI”という言葉とともにより広く世界へ届けること。
それが、私たちの次の夢であり、描きたいストーリーです。