味わい鍋には、安全性に配慮したフッ素樹脂(PFOAフリー)を使用しています。
味わい鍋の内面コーティングに使用しているフッ素樹脂(PTFE)は、ダイキン工業グループ製で、健康への影響が懸念されている「PFOA」や「PFOS」を一切使用していません。

フッ素樹脂は危険?私たちが丁寧にお答えします
ニュースやSNS等で「PFAS」や「PFOA」「PFOS」「PTFE」「フッ素 発がん性」「水道水から検出」といった言葉を見つけ、不安を感じている方は少なくないでしょう。「フッ素」といえば、歯みがき粉やフライパンなど、身近な製品にも使われていることはよく知られているためです。
味わい鍋にも、こびりつきにくく洗いやすく、毎日気軽に使っていただけるよう「フッ素樹脂」を使用しております。そのため、フッ素樹脂の安全性についてのお問い合わせも多くいただきました。
そこで当ページでは、素材について正しく知っていただき、安心して使っていただくための情報をまとめました。

PFAS、PFOA、PFOSとは?
PFAS(ピーファス)は、有機フッ素化合物の総称で、1万種類以上あるとされる物質群です。フッ素樹脂もこの中に含まれます。
PFASの中には、PFOA(ピーフォア)やPFOS(ピーフォス)のように、特定の条件下で健康への影響が懸念されているものもあり、日本ではPFOSが2010年、PFOAが2021年に、原則として製造・使用・輸入が禁止されています。
味わい鍋に使用しているフッ素樹脂塗料はダイキン工業グループ製で、ダイキン工業は国内では2012年、海外では2015年までにPFOAの製造・使用を自主的に終了しています。これは、米国EPA(環境保護庁)の「2010/2015 スチュワードシップ・プログラム」に沿ったもので、ダイキン工業株式会社は日本国内でもいち早く対応した企業のひとつです。

味わい鍋のフッ素樹脂コーティング
味わい鍋の内側には「PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)」という種類のフッ素樹脂を使用しています。調理温度(250℃以下)であれば熱分解を起こすことはなく、日常的に安心して使える素材です。もしもコーティングの一部が剥がれて体内に入ったとしても、PTFEは分子構造が大きく安定しているため、消化・吸収されることなく排出されると報告されています。
(出典:内閣府 食品安全委員会ファクトシート)

空焚きや高温に注意すれば、より安心
フッ素樹脂(PTFE)は260℃を超えると徐々に分解を始め、315〜375℃の高温では分解ガス(微粒子など)が発生する可能性があるとされています。これを吸い込むと、ごくまれにインフルエンザに似た症状(ポリマーフュームフィーバー)を引き起こすことがあります。
とはいえ、ふだんの調理で鍋がそこまで高温になることはほとんどありません。中火以下の加熱や、空焚きを避けることを心がけていただければ、より安心してお使いいただけます。
オーブン調理に使用する際にも、250℃以下に設定していただければ安心です。

お客さまからいただいたご質問と回答
Q. 味わい鍋に使われているフッ素樹脂に、GenXなどの代替PFASは含まれていますか?
A. 味わい鍋ではダイキン工業グループ製のフッ素樹脂塗料を使用しており、ご質問にありますGenXは使用していないとのことでしたが、添加物や構成成分などについての詳細は、企業の機密情報にあたるため開示されておりません。
→こちらも参考にご覧ください。
ダイキン工業株式会社「PFOAに関する取り組み」
Q. PFASはすべて危険なものなんですか?
A. PFASは1万種類以上あるとされる物質群で、すべてが危険というわけではありません。PFOAやPFOSのように規制対象となっている物質もあれば、安全性の高いものもあります。
→こちらも参考にご覧ください。
誤解続く環境汚染と健康リスクの違い―最新の科学と報道の乖離 唐木英明( 東京大学名誉教授)
Q. 空焚きしてしまったらどうなりますか?
A. フッ素樹脂(PTFE)は260℃を超えると徐々に熱分解が始まり、315~375℃になると気化した微粒子が発生するとされています。ただし、これらはPFOAやPFOSのような懸念物質とは性質が異なります。
万が一、ガスコンロなどで空焚きをしてしまった場合、中火なら約3~4分ほど、強火だと約2分ほどで260℃に達する可能性があるため、すぐに火を止めて換気をしてください。
Q. 人体への影響は?
A. 内閣府 食品安全委員会が公表しているファクトシートでは、フッ素樹脂(PTFE)について以下のように説明されています。
• 摂取しても体内に吸収されにくく、排出される。
• 国際がん研究機関(IARC)は、PTFEを「ヒトに対する発がん性について分類できない」と評価している。
• PTFEを315~375℃で加熱した際に発生する分解ガスを吸引すると、インフルエンザに似た症状を示すことがある。

信頼できる外部資料のご紹介
インターネット上にはさまざまな情報があふれていますが、出典が不明なブログやSNSの情報は、事実と異なる場合もあります。
以下の資料は、公的機関や専門団体、フッ素樹脂メーカーの公式情報です。少し専門的な内容も含まれますが、信頼できる情報としてご紹介します。
・JFIA日本弗素樹脂工業会「ふっ素樹脂製品 取扱マニュアル」
・内閣府 食品安全委員会「フッ素樹脂に関するファクトシート」
・ダイキン工業株式会社「PFOAに関する取り組み」